章 603

天南では張冕と葉長風だけが地元から登用された人物で、来年の選挙では間違いなく両者は敵対関係になる。二人のうち一人は転勤させられるか、圧力をかけられるかで、表立った争いも水面下の駆け引きも今に始まったことではない。だが省都から蒋の坊ちゃんと林浩が親しくなり始めた時から、七爺はこの張冕が今回はおそらく終わりだと悟っていた。

「大将、俺たちは何もしないんですか?」部下は七爺がただ頷くだけなのを見て、心に疑問を抱いた。今回張冕が連行され、狂犬も去った今、張冕の配下の勢力は混乱状態にある。こんな時に七爺はまだ手を打たないつもりなのか。

「何をする?」七爺は芝居がかった様子で尋ね返し、一方で釣り竿を引...