章 550

七爷は林浩の姿を数眼眺めた後、心中に驚きが走った。林浩の頭上に漂う気運が見えたのだ。それは華蓋の気運だった。

この林浩は、確かに並の者ではない。なるほど、叶長風が目をかけるわけだ。その瞬間、七爷の心には林浩を自分の側に引き入れようという思いが生まれた。

「あ、お父さん、こちらが林浩で、こちらが私の父です」上官婉儿はやや照れくさそうに二人を紹介した。

最も気まずそうだったのは林浩だった。壁際にしゃがみ込み、七爷に向かって手を振る姿は、まるで招き猫のようだった。

「おじさん、こんにちは」

上半身裸の林浩の姿は、少し滑稽だった。

林浩は七爷を見上げ見下ろした。伝説の七爷は意外にも凶悪な風貌では...