章 510

林浩は元々蒋晴の後ろに立っていたが、前へと押し出されてしまった。気持ちは落ち着かない。なぜなら、目の前には地下世界の姫君である上官婉儿がいて、先ほどは彼女の下半身を見てしまったし、もう一人は天南市の大物だからだ。

林浩は三子が自分に手を差し伸べてくるとは思わなかった。急いで手を伸ばし、握手を交わす。「三爺、そんな大げさな。三爺の前で、私なんかが『兄貴』なんて名乗れるわけないじゃないですか。今日は三爺のおかげで、僕と伯母さんは難を逃れました」

林浩は話しながら、傷痕の男を横目で見た。

傷痕の男とその手下たちは、今や三爺の部下たちに武器を取り上げられ、全員が地面に蹲っている。

三子は林浩の...