章 509

「先に私に聞いてないじゃない!」蒋晴は小さな手を林浩の下から離すと、可愛らしく彼を責めた。

林浩は格子戸を開け、二人は服を整えながら女子トイレの外へ向かった。

「晴姉さん、僕は知らなかったんですよ」林浩は今や死にたい気持ちでいっぱいだった。人の縄張りに来たばかりで、トイレを覗いてしまうなんて、何事だろう。

外では、上官婉児が三子のこのような丁寧なお礼に少し居心地の悪さを感じていた。

結局のところ、天南市ではこの三子と上官婉児の父である上官飛鴻は同格の人物だ。自分のような若輩者が三子の前で偉そうにするわけにはいかない。

「三叔、冗談を。これは当然のことです。父もあの方は尊敬に値する方だと言って...