章 376

「虎兄貴は親分の配下でも一番の強者だけど、俺だって名の知れた若手だぜ。虎兄貴が理由もなく俺を殴るわけがねえ。まさかあのイケメン野郎のせいか?」

「謝れ!」虎兄の冷たい言葉には無駄がなかったが、その口調には一切の疑いを許さない威圧感があった。

虎兄が話しながら指差していたのは、テーブルに寄りかかって立っている林浩だった。

スキンヘッドは不満げな表情を浮かべながらも、数歩前に進み、林浩に向かって頭を下げた。「兄弟、すまねえ。目利きが利かなくてよ」

林浩は冷ややかに鼻を鳴らすと、スキンヘッドを一蹴りで弾き飛ばし、程程の方へ歩き始めた。

「林浩兄弟、林浩兄弟」林浩が自分を無視するつもりらしいのを...