章 362

電話を切ると、孫世康は杨徳勝を期待の眼差しで見つめた。「向こうは何て?」

「何も言うことねぇよ。上は高虎と何先生を捨て駒にしたんだ。でもあのため池を取り戻す任務はまだ完遂しなきゃならない」杨徳勝は怒りを含んだ口調で言ったが、他に方法はなかった。

「えっ」孫世康は大きく驚いた。

頼みの綱だった高虎たちがいなくなった今、どうやってあの林浩に対抗すればいいというのか?

杨徳勝はソファに腰掛け、直面している問題について考え込んだ。今、杨徳勝には分かっていた。林浩と自分の背後には、それぞれ大物の影がちらついていること。自分たちはただの消耗品に過ぎないのだと。

時は瞬く間に過ぎ、沿渡河の勢力は林...