章 354

「カードの切り直し?秦さんがおっしゃったその意味がわからないんですけど」芳姐がそう言った時、視線はむしろ林浩に向けられていた。秦雪が話す度に林浩の方をちらりと見ることに気づいていたからだ。

「芳姐、この件については私から説明させてください。小雪、よければ少し外に出ていてくれないか?」林浩は笑みを浮かべながら秦雪に頷きかけた。

秦雪は林浩が自分を外に出すのには必ず理由があるのを理解していたので、素直に頷いた。「はい、林お兄さん!」

秦雪は部屋から出て行き、出る際には丁寧にドアを閉めた。

部屋には芳姐と林浩だけが残された。林浩はオフィスの横にある大きな窓から下の賑やかな街並みを眺め、それか...