章 30

会社に着いた時間はまだ早く、二人の先輩はまだ来ておらず、李晴(リー・チン)だけが向かい側に座っていた。

「晴姉さん、今日は随分早いですね」

「当然でしょ。私みたいな勤勉な人間が、遅く来たことなんてあるかしら?」

「ははは、確かに。オフィスで一番勤勉なのは晴姉さんですよ」

「あはは、あなたもわかってるのね。私みたいな勤勉で美人な女性って、珍しいと思わない?」

「そりゃそうですよ、もう絶滅危惧種ですよ!」

「もう、冗談言わないの」李晴は言いながら立ち上がり、机の上の雑巾を手に取り、林浩(リン・ハオ)と雑談しながら机を整理し始めた。

林浩は李晴とのおしゃべりが好きだった。こんな退屈な会...