章 258

杨得志は急いで電話を取り、張浩の携帯に電話をかけた。「張隊長、今どこまで来ているんだ?」この張浩とは、先ほど林浩の家に捜査に行った隊長のことだ。

「もうすぐ到着します、ご心配なく」張浩は助手席に座りながら、バックミラー越しに林浩をちらりと見た。

「あのな、林浩を今すぐ釈放してくれ」杨得志は言った。

「え?釈放ですか?」

「『え』とか言ってないで、さっさと実行しろ。それから彼には丁寧に接しろ。後で説明する」杨得志は向かい側に立つ沈超を見て、少し困ったように言った。

張浩も抜け目のない人間だ。杨得志のこの口調を聞いて、この林浩が裏で有力者を見つけてきたのだろうと薄々感じ取った。電話を切る...