章 256

「実は大したことじゃないんだ。林浩が禁制品を所持しているという通報があって、ちょっと調べるために連れて行っただけさ。上からの指示だから、私にもどうしようもなくてね」沈超はこの王長貴のことをある程度覚えていた。去年、王長貴は自分に何羽か鶏を贈ってくれたことがあったのだ。

「え?どういうことですか?私たちは田舎者ですから、もう少し分かりやすく説明していただけませんか?」

沈超は電話の中で少し考え込んだ。この林浩と王長貴の関係は並々ならぬものがあるようだ。

「王さんね、詳しいことは私もよく分からないんだが、ひょっとして林浩が県城で誰かに恨みを買ったりしてないかな?」沈超は考えれば考えるほど、自...