章 21

飛行機に乗り込むと、林浩は隣で目を閉じ休んでいる蘇玉竹を見て、この旅に一層の期待を抱いた。

着陸後、専用の出迎えがあった。三十代の女性で、自己紹介によると鐘という姓の経理だという。

二人は鐘経理に従ってワゴン車に乗り、ホテルに到着して手続きを済ませると、鐘経理はルームキーを二人に渡し、夜に歓迎会のために迎えに来ると言って立ち去った。

林浩と蘇玉竹の部屋は十階にあり、隣同士の二部屋だった。蘇玉竹は林浩に「先に部屋で休みましょう」と言って中に入り、林浩もカードで部屋に入った。

部屋は広く、スイートルームだった。寝室には大きなベッドがあり、遠くの海景色が見える。林浩は柔らかいベッドに横になる...