章 180

林浩は笑顔でバックパックから、ビニール袋に密封された小包を取り出した。開けてみると、中の乾パンはぺしゃんこに潰れていたが、食べるには問題なさそうだった。

林浩は乾パンを半分に分け、一方を雪芙に渡し、自分はごく少量だけ口にして、残りを再び袋に戻した。

「どうしてそんなに少ししか食べないの?」雪芙は不思議そうに尋ねた。

林浩は微笑んで「別に腹は減ってないから」と答えた。

雪芙は不思議そうに彼を見つめ、すぐに林浩の意図を理解した。出口が見つからない場合に備えて、食料を温存しているのだ。こうすれば飢え死にする心配はない。彼女は急いで残りの乾パンを林浩に差し出した。「私、女の子だから胃が小さいの...