章 168

図魯は彼女の様子が演技でないと分かり、素直に信じて言った。「よし、俺に付いて来い」

図魯は部族内でかなり高い地位を持っているようだった。それは聖なる山についての知識の深さからも窺えた。頻繁に聖山に出入りしていなければ、こんなにも地形に詳しいはずがない。

三人は警備を巧みに避け、無事に聖山の内部へと足を踏み入れた。

聖山に入ってみると、林浩は周囲の光景にやや失望した。聖山と呼ばれてはいるが、実際は植物もほとんど生えていない丸裸の岩山に過ぎなかった。小動物の姿さえ一匹も見当たらない。せいぜい奇妙な形をした岩が目立つ程度で、そのほとんどが黒々として重苦しく、どちらかといえば不気味な雰囲気を漂わ...