章 1012

「こちらに望遠鏡がありますよ。自分で確かめてみてください」男は言いながら、少女に望遠鏡を手渡した。

少女は望遠鏡を受け取り、一度覗いて、それから頷いた。「確かにあなたの言う通りね。でも、さっきあなたたちのロケットランチャーがあっちの大きな船に向けられていたのは、どうしてかしら?」

「ああ、あれは焦点を調整していただけですよ。より正確に狙えるように。我々が罪のない人を殺めるわけがないでしょう」男は笑いながら言ったが、その瞳には一瞬、貪欲な色が浮かんだ。

もちろん、その貪欲さは普通のものではなく、目の前の女性の美しさに対する欲望だった。

しかし、彼はそれを考えるだけで、何かをする勇気はなか...