章 961

「ええ。」

「爺さん、本当に抜け目ないですね!これじゃ安二虎という仲裁役まで巻き込んだようなものじゃないですか?安二虎が説得に奔走して、自分まで引きずり込まれちゃった。でも、まあ、爺さんがそう言った以上、仕方ないか。」

茹雲にも話しておこうと思ったが、考えてみれば、老人は彼女にも話すだろうから、安二虎はそのまま安大彪の家へ向かった。彼は趙兮を呼び出そうと思ったが、よく考えると、それも違う気がした。これでは明らかに俊博を困らせることになる。

忠爺の家から百メートルも歩かないうちに、前方に黒い影が現れ、安二虎はぎょっとした。よく見ると茹雲だった。「茹雲おばさん、家にいなかったんですね?安心して...