章 574

安家寨の人々は、大抵が蛇の毒の治療方法を多少心得ていたが、この小さな蛇の毒には安岩が塗った薬草がまったく効かなかった。あそこはどんどん腫れ上がり、黒い血まで流し始めた。必死に我慢して家に辿り着いた時には、玄関先で即座に気を失ってしまった。

家で安二虎が自分を抱きに来るのを待っていた香草は、黒い血を吐き、意識を失った彼を見て恐ろしく驚いた。何が起きたのか分からず、後になって彼のズボンと服を脱がせてみると、あそこに傷があり、大根のように腫れ上がっていることに気づいた。香草も山育ちの女だったので、一目見て毒蛇に噛まれたことが分かった。

そこで彼女がまず思い浮かべたのは安二虎だった。安大彪の家へ走...