章 310

「二人は大きく驚き、慌てて素早く立ち上がった。安二虎は玉蘭に動かないよう言い、自分だけがゆっくりと頭を上げ、音のする方向を見やった。案の定、二人の人影が見えた。男女一人ずつで、見覚えがある。男は安家寨の猟師の安魁、猴子の従兄だ。女の方は小柄で幼さの残る感じで、彼の背の高くしなやかな美しい妻の娜娜ではなかった。安二虎には見覚えがなかったが、安家寨を八年も離れていれば知らない人がいても当然だろう。

安二虎はしゃがみ込むと、玉蘭に悪戯っぽく笑いかけた。「義姉さん、安魁と女が一人だ。二十歳くらいで、小柄な娘だが、見たことがない。誰の嫁か見てみてくれないか？ゆっくり起きて、見つからないようにな」

玉...