章 2653

「そういうわけだからこそ、フィリピンのカルロス大統領が妥協してくれて、特赦を与えてくれたんだ。そうでなければ、俺がどうやって帰ってこられたと思う?」

「二虎、本当に一万人以上の部隊を率いていたのか?」安海は驚きながら笑って尋ねた。

「もちろんさ、こんなことで嘘をつくわけないだろう?最初は勢力の強い二つの部隊を掌握したんだ。実は、あそこには電気がなくてテレビもないけど、都会に住んでいる人たちならテレビで二人の名前を聞いたことがあるはずだ。一人はアバネフ、もう一人はモルセフ。二人とも反政府武装組織のリーダーであり、同時にライバル同士でもあった。お互いの女を奪い合って、深い確執があったんだ。俺は...