章 2420

「それに、警備員は関係者以外の人が塀に近づくのを許さず、境界線を引いているんだ。一度境界を越えたら、強制的に追い出されるらしい」

周囲を照らす探照灯が時折辺りを照らしていた。仮に塀を乗り越えて敷地内に入ったとしても、中はさらに厳重な警備が敷かれているだろう。この時になって安二虎はようやく、阿基諾の言葉が嘘ではなかったことを悟った。大統領府の警備体制は自分の家と比べものにならないほど強固だった。まったく侵入の余地がない。安二虎は一周してみたが、どこから手をつければいいのか見当もつかなかった。

だがどうあれ、ここまで来た以上、中に入らなければ安二虎の面子が丸つぶれだ。今日入れなくても明日入れる...