章 2357

部屋に入ると、中は真っ暗だった。カーテンが閉められていたため、一筋の光も差し込んでいない。だが、安二虎は女性の吐息のような微かな呼吸音を感じ取った。部屋の中には、女性の部屋特有の雰囲気が漂っており、かすかな香りが鼻をくすぐる。

安二虎は目を閉じ、その香りを味わうように深く吸い込んだ。目を開けると、彼の視力が最も冴える瞬間だった。部屋に明かりがなくとも、安二虎は扉の正面に大きなベッドがあることをぼんやりと見分けることができた。呼吸音はそのベッドから聞こえていたため、彼はすぐにベッドへと向かった。

ベッドの前に立ち、覗き込むと、案の定、長い髪の女性が横向きに寝ていた。安二虎はすぐに自分の服を脱...