章 217

安二虎は手を伸ばすとすぐに蔓を掴み、宙ぶらりんになった。下を覗き込むと、五、六十メートル下に深い淵が見え、上の霧はこの淵から蒸発した水蒸気だとわかった。

「くそっ!婆さんが俺には九つの命があるって言ってたが、マジだったのか。この俺、死なねぇってわけだ!」

彼は崖の中腹にぶら下がり、上がどれほど高いかはもう計れなかった。霧が濃すぎて何も見えなかったからだ。しかし下の高さは把握していた。底には深い淵があり、飛び込めば大丈夫だろう。

そう思うと、安二虎は思い切って体を落とした。数秒後、ドンという音とともに深い淵に落ちた。だが水に入った瞬間、安二虎の頭の中を「うわぁぁぁっ」という叫びが駆け巡った...