章 2164

それゆえ、フィリピン軍隊内では反政府武装組織に寝返る兵士が珍しくなく、少しの脅しや利益誘導で政府軍を裏切ることが一般的だった。このような状況だからこそ、政府軍は反政府武装組織を一掃できず、彼らを野放しにし続け、その勢力をむしろ拡大させていったのだ。

こうして、安二虎とマリアはその男に従って、彼らの隠れ家へと向かった。ここから約5キロメートルの距離だった。安二虎の予測は間違っておらず、昨日の二人も嘘をついていなかった。彼らが洞窟から500メートルほどの距離に来たとき、安二虎は自分のサブマシンガンから弾を抜き取り、空の銃を持たせて自分とマリアを押し進ませた。

マリアはまだ少し不安そうだったが、...