章 2082

「なんだよ、大したことねえじゃねえか」そう思うような奴はここにはほとんどいない。安二虎に対しては、基地のほとんどの者が崇拝の念を抱いているのだ。

そう思うと、スーシーノは急に無力感と挫折感に襲われた。だが、手の届くところにある首領の座を思うと、諦めきれない。思わず階段に潜んでいる狙撃手に目を走らせる。彼の合図一つで、この傲慢な安二虎をその場で射殺できるのだ。

彼の異常な反応にムービャオは心の中で戸惑った。警戒して周囲を見回すと、訓練場の東側にある烽火台に狙撃手が潜んでいるのを発見した。銃口は安二虎の背中に向けられていた。ムービャオはすぐに席を立ち、突然舞台中央の安二虎に向かって走り出した。...