章 2050

数キロ離れた場所からアメイの叫び声が聞こえた瞬間、安二虎はその声を頼りに飛ぶように駆けつけ、道案内をしていた兵士たちを置き去りにした。

安二虎の胸中は怒りで燃えていた。くそっ、アメイは安二虎の女だと公に宣言したというのに、誰がその気になる?ナイウェンのこの命知らずが、逃げもせずにいやがる。恩を仇で返すつもりか。死にたいならば、安二虎が成仏させてやろう!

怒りを抱えて現場に駆けつけた安二虎は、アメイとアチーが無事なのを確認すると、すぐさまナイウェンの居場所を尋ねた。

「あいつは逃げたわ。みんなで探してるところよ。この畜生、私と義姉さんまで殺そうとしたのよ。本当に許せない!」

「ああ!アチ...