章 200

安海は気にせず、綺麗な服に着替えた。娟子はカーテンを閉め、安二虎は隅に身を隠した。夫婦揃って部屋を出ると、娟子は手早くドアを閉めた。香草は二人を待っていた。玄関まで来ると、娟子が突然言った。

「安海、あなたは香草先生と先に行って。おしっこ溜まってたの忘れてた。すぐ追いつくから」

「またお前は面倒くさいな。さっき部屋にいる時にすればよかったのに。香草、じゃあ先に行こうか」

安海はただ香草と二人きりで歩きたかった。妻がいると、まるで邪魔な電灯のようで、余計な存在だと思っていた。

娟子が部屋に戻ると、安二虎はすでにカーテンの陰から出ていた。娟子は彼の胸に飛び込んだ。

「二虎、さっきはほんと...