章 1955

「籠の中に閉じ込められた金糸雀に、何の幸せがあるというのだろうか?」

森に入るとすぐに、安二虎は腰をかがめて薬草を探し始めた。しかし、口ではモナと会話を始めていた。彼は後ろに誰も付いてきていないことを知っていた。もし誰かいれば、すぐに気づくことができる自信があったからだ。

「モナ姉さん、話したいことがたくさんあるんだ、わかる?」安二虎は急かすように言った。

「わかってるわ、二虎。あなたの目が全部語ってたもの。私に会いたかったの?でも、ここじゃ無理よ」

「わかってる。後でチャンスはあるさ、焦らなくても。今は話しておきたいことがあるんだ。俺がサニーを連れてメルセフの基地から来たことは知って...