章 1212

「あ!ありがとう、二虎お兄さん」小倩は恥ずかしそうに微笑むと、少し照れながら安二虎の横をすり抜けて中に入った。

安二虎は彼女の隣に座り、「運転手さんに行き先を言ってくれないか?僕は君の家がどこにあるのか分からないから」と言った。

小倩は急いでタクシー運転手に自宅の場所を伝えた。タクシーはすぐに繁華街から走り出した。

道中、小倩はほとんど話さなかった。彼女の心は不安で一杯だった。今起きていることが全て信じられないでいたが、安二虎の言い分と彼の澄んだ眼差しを思い出すと、本当に悪い人ではないように思えた。自分はもともと「お姉さん」で、大学生とはいえ、この仕事をしているのだから、体は既に穢れてい...