章 1102

安二虎はすぐに宿に戻らず、香媚の家へと向かった。香媚から正確な住所を聞いていたし、昼間に彼女の住むマンションの大まかな場所も確認していたので、大通りに出てからタクシーに乗ると、十分ほどで香媚の住むマンションに到着した。

安二虎はスマホを取り出し、部屋番号などを頭に入れた。そして正門からは入らず、警備員に余計な質問をされるのを避けるため、塀の外から一気に飛び越えて敷地内に入った。

時刻はすでに午前一時半を回っており、マンション全体が静寂に包まれ、住人たちはみな眠りについていた。

安二虎は部屋番号を頼りに香媚の住む棟を探し当てた。香媚の家は最上階にあり、安二虎は音を立てないように階段を上って...