章 363

「後ろから追いかけてくる連中も逃げ切れない」

「目の前で食い殺されていくのを見るしかない」

昆虫のように密集した群れが迫ってくる。

周囲の人々は前へ前へと必死に走り出した。

そんな中、素女が気づかぬうちに方青の方へ近づいてきていた。

阿九は反射的に素女を警戒の眼差しで見た。この素女に悪意があるかどうかに関わらず!

素女はその視線に気まずそうな表情を浮かべた。毒人帮の面々も方青たちに合流しようとしていることは明らかだった。

方青は刀語を背負いながら前へと走り続けた。

「助けて!助けてくれ!」

後方からは悲鳴が次々と上がる。方青たちは前へ走ることしかできなかった。

後ろから追ってきた人々の多くが食...