章 171

方青は頭を振った。すぐに、頭の中が真っ白になり、何も思い出せなくなった。

「何か思い出したの?」

刀語は少し焦った様子で尋ねたが、方青は苦笑いして頭を振った。「やっぱり何も思い出せない」

冷月は方青が記憶喪失であることを知っていた。

もしかして、彼らが今回来たのは、方青の記憶を取り戻すのを手伝うためなのだろうか?

心の中でそう推測したが、あながち可能性がないとも言えない。だが、それ以上は聞かなかった。

方青の言葉を聞いて、刀語は心の中で少し失望した。

彼は方青が早く思い出せることを望んでいた。

しかし今見る限り、方青はもう少しで思い出せそうになっても、すぐに何も覚えていない状態に戻ってしまう。...