章 954

元昊に声をかけられるまでもなく、老徐は自ら席に着くと、さっそく食事に舌鼓を打ち始めた。

「趙親分、いつ頃うちの縄張りを引き継ぐ人を寄越してくれるんですか?」元昊は恭しく老徐に酒を注ぎながら尋ねた。

今や二人の立場は逆転していた。元昊はもはや老徐と対等な親分ではなく、老徐の下で働く手下となったのだ。だから元昊の態度は当然、十分に従順なものとなっていた。

「ん?俺がいつお前の縄張りを引き継ぐなんて言ったかな?」老徐は鶏の足を口に頬張りながら、少し首を傾げて元昊を見た。

「趙親分、これは...?」元昊の目に一筋の喜色が走った。この老徐、自分にこれまでの縄張りを引き続き管理させるつもりなのか?...