章 377

徐さんは電話越しにエレベーターのチャイム音を聞いた。つまり、趙宇たちはすでに階下に到着していたのだ。

30秒もしないうちに趙宇がここに現れるだろう。このような形で部屋番号を趙宇に伝えておけば、自分が拘束されたとしても、趙宇が適時に助けに来てくれるはずだ。

坊主頭は徐さんを一瞥した。今や坊主頭は確信していた。この徐という男は自分たちを尾行していた人物に違いない。だが今はそんなことはどうでもよかった。まずは阳兄に引き渡せば、あそこには大勢いるのだから、この小僧を処理するのは難しくないだろう。

「ふん!」坊主頭は冷ややかに鼻を鳴らし、部屋のドアをノックした。ドアはすぐに開き、黒いシャツを着た男が...