章 673

「さっきの動作はあんなに明らかだったのに、今の劉雅芳を見ていると、何も起きなかったかのようだ」

母娘二人がキッチンにいるため、李有金もあからさまな態度は取れず、さっきあの張りのあるみかんが意図的に自分に触れてきたことなど気づかなかったふりをするしかなかった。

三人で料理を作るのは早かったが、残念なことに劉雅芳がキッチンで手伝っているせいで、李有金の胸の高鳴りはどこにもぶつけられず、チャンスがあるときに楽琴の成熟した魅惑的な後ろ姿をちらりと見るだけで我慢するしかなかった。

この極上の母娘は、一人は成熟して色気があり品格が高く、もう一人は清純で美しく若々しい活力に満ちていた。

李有金の頭の...