章 351

「ぷっ——」

「ちっ!」

「ふふふふ——」

陳霊均だけでなく、見物している客たちも信じていなかった。彼がここに来たのは若い女の子と仕事の話をするためだというのを。

ホテルのスタッフや警備員も遠くから見ているだけで、誰一人として仲裁に入ろうとせず、もちろん警察に通報する者もいない。彼らは事態の成り行きを見守っていた。

馬鹿でもわかるだろう。これは浮気現場を押さえられたのだ。あまりに大騒ぎにならなければ、ホテルの警備員も介入しないだろう。

いわゆる「他人の家庭の問題には口出しできない」というやつで、ホテル側はこういった揉め事に巻き込まれたくないのだ。後で食事代も払われないかもしれないしな。

「話し...