章 372

私はどこかで彼に聞いてほしい気持ちもあった。結局、ルームメイトを好きになるなんて誰にも言えないし、毎日会えるのに触れられない状況は、本当に胸が締め付けられる思いだった。でも、彼が聞いてきたら、私は何を答えるべきか、それも分からなかった。

結局彼は何も聞かなかった。私が好きな男性のタイプを聞くことに、彼自身も準備ができていなかったんだろう。あっという間に新学期が始まり、今回は彼は約束を破らず、きちんと私を学校まで送ってくれた。寮に荷物を置いた後、今回は早めに来たせいか学校にはほとんど人がおらず、父は学校を一周見学して、かなり満足げな様子だった。

父が帰ろうとしたとき、ちょうど林隽がスーツケー...