章 160

私は頭を低くして、慌てふためいて部屋に飛び込んだ。

若陽の手が宙に固まったまま、目は揺らいで扉の外の方向を見つめている。何を考えているのかは分からない。

玲姉さんは口を押さえて忍び笑いながら、「若陽、こっちに来てお姉さんの足を押してくれない?すごく疲れちゃって」と言った。

若陽は我に返り、小さく頷いた。

幸いなことに、張兄の症状は少し和らいでいて、今日一度発作の処置をした後は、夜になっても再発しなかった。

翌日は週末だった。

小宝は学校に行く必要がなかったが、私はいつも通り早起きした。

朝食を作っている時、異常に急ぎ足の電話が鳴り響いた。

「もしもし、蒋明のご家族の方でしょうか...