章 106

「張兄、どうしたんですか?」

私は疑問を抱きながらドアを開けた。

張兄は眉をわずかに上げ、意味深な様子で言った。「暁芳、もう遅い時間だよ」

「え?」

私は一瞬固まり、すぐに思い出して、顔に少し困惑の色が浮かんだ。

張兄が何をしようとしているのか思い出した。昨日、見学に来るように言っていたのだ……

「これは……」

私は下唇を噛みながら、そっとリビングに目をやった。若陽の姿は見えなかったが、きっとまだ寝ていないはずだ。

「張兄、若陽がまだ起きてますよ。もし見つかったらどうするんですか?」

張兄の声には、うそではなさそうな興奮が混じっていた。彼は身をかがめて私の耳元でささやいた。「大丈夫、屋上階で何...