章 933

「当時、私は見えなかった。何が何だか分からなかった。

今となっては見えるようになったけど、言わざるを得ない。兄嫁は確かに村一番の美人だ。

村の裏山に近い場所はすべてトウモロコシ畑で、とても壮観に見える。

兄嫁と共にさらに一里ほど歩いて山の麓に近づくと、隣のトウモロコシ畑から物音が聞こえてきた。この時間なら、山から下りてきた獣が荒らしているか、隣村の者がトウモロコシを盗みに来ているかのどちらかだろう。

「兄嫁、音聞こえた?」私は足を止めた。

「私には聞こえなかったけど?」兄嫁は辺りを見回しながら言った。

この畑は我が家のものではないが、村の東側にある李さん家のものだと分かっていた。彼らは夫婦で町...