章 897

「どの古書だったか、七彩七夜花を摘むときは蓮の葉を使わなければならない、さもなくば七彩七夜花に傷つけられてしまうと書かれていたのを見た覚えがある。

前回それを燃やした時も、蓮の葉を一枚乗せておけば問題なかったはずだ」

そう考えて、私は深く息を吸い込み、慎重に蓮の葉で包み込んだ。艶やかに輝く七彩七夜花を見つめながら、思わず感嘆の声を漏らした。

「本当に美しい。古書に七彩七夜花は花の中の王者と称されていたのも納得だ。まさにその通りだな」

急いで蓮の葉に包んでバックパックに入れる。運転手は多くの人が生還できなかったと言っていたが、今のところ私は何の危険にも遭遇していない。それはとても奇妙なこと...