章 780

「校長、お礼はまだ言わないでください。今回の件は、そう単純なものではありません。毒物混入の疑いがありますが、今のところ中毒症状を見せているのは二人だけで、状況の判断が難しいところです。偶然二人が中毒したのか、それとも誰かに狙われたのか。しかも二人は互いに面識がないようですが...いずれにしても、学校内に確実にこの種の毒物が存在しています」と私は重々しく言った。

私の言葉を聞いた校長は顔色を変え、隣にいる教頭に向き直った。その教頭のことは知っている。確か朱主任というはずだ。普段から威張り散らし、非常に偉そうにしているが、大きな過ちを犯したことはなく、これまでずっと無事に過ごしてきた人物だ。

...