章 610

「ここまで来ると、あとは運を天に任せて探すしかないか」

気づけば学校の湖のほとりに来ていた。今は学内に人影もなく、異様なほどの静けさが漂っている。そよ風が頬を撫でると、心地よさが体中に広がった。

湖畔の手すりに寄りかかり、風が髪を揺らす涼しさを感じながら、ポケットからタバコを取り出してゆっくりと一服する。

「どうやら、あの子を見つけるのは難しそうだな」思わず苦笑いが漏れた。心の中では少し残念に思う。あの女子生徒は本当に美しかった。

顧文文に劣らない顔立ちだが、体つきは顧文文よりずっと良かった。特にあの揺れる胸が脳裏に浮かぶ。

あの夜、彼女が木につかまりながら行為に及んでいた時の揺れる姿が思い出...