章 416

老陆は彼らの緊張感あふれるレースを見つめていた。二台の車が追いつ追われつの状態で、誰が勝ち誰が負けているのか判別できなかった。

ゴール直前になって、柴国栄の車が突然コースを飛び出し、脇の溝へと飛び込んでいくのが見えた。本人も車から放り出され、かなり遠くまで飛ばされていた。

老陆はそれを目にして、思わず身が縮む思いがした。もし自分があんな風に飛ばされたら、泣き叫ぶことになるだろう。

大勢の人が駆け寄り、柴国栄を地面から担架に乗せ、救急車へと運んだ。これらの車も彼らが用意していたもので、誰かが事故を起こした時のために常に待機していたのだ。

徐少冲は柴国栄のコース外れの影響を受けることなく、...