章 1352

私は白杖を置き、両手で梅子の手を握った。「梅子、これで少し温かくなった?」

こうして体を斜めにすることで、余光で伟哥の様子も窺える。

あいつは今にも爆発しそうな表情をしていた。

「もう寒くないわ、ありがとう」梅子は慌てて手を引き抜いた。

「周りの景色はさぞ美しいんでしょうね?」私はまだ彼女の方を向いたまま、伟哥の顔を観察しやすい体勢を保っていた。

「ええ、本当に素敵よ。湖と山の景色が広がってるわ」

「ふむふむ、お金持ちが住む場所は違うね」私はため息をついた。「僕も頑張って、いつか街に家を買って、両親を呼び寄せるんだ。四人で暮らせたらいいな。いや、子供二人も加えて。僕らの子供だよ。梅子、男の子と...