章 1000

その時、一人の女性が傘を差して、曲がり角から姿を現した。

見れば、売店のおばさん、羅春花だ。

俺は黙ったまま、小便を続けた。

羅春花も俺を見たが、声をかけてはこなかった。

俺が小便中だから、さすがに声をかけづらいだろう。

彼女は黙ったまま、そっと近づいてきて、目を丸くして見ていた。

前から彼女と張大龍が関係あるんじゃないかと疑っていたが、今は張大龍も出て行ったし、彼女の旦那も半年近く帰ってこないから、きっと欲求不満なんだろうな。

小便を終えると、わざとらしく体を横に向け、大げさに振り、それからズボンの中に仕舞った。

羅春花の表情を見ると、何か考えがあるようだ。

この羅春花はまだ二十四、五歳で、...