章 652

「彼女はすっかり怖がっちゃってるよ」

劉名揚はプッと吹き出して笑った。「姉さん、俺はもともとドアを閉めるつもりなんてなかったよ!」

「嘘おっしゃい。あなたが何をしようとしてるか、私にはお見通しよ」裴佳媛は劉名揚を睨みつけた。

「俺がしようとしてることって、君だってしたいんじゃないの?」劉名揚はそう言いながら、厚かましくも舌を出して唇の周りをなぞった。その様子は、これ以上ないほど色っぽかった。

「劉名揚、このバカ!ぶっ殺してやる!」裴佳媛は手にしていたバッグを振り上げ、劉名揚めがけて投げつけた。

劉名揚は笑いながらそれをかわし、二人はしばらく戯れた後、ソファに腰を下ろした。裴佳媛は劉名...