章 2389

彼は返事を一つ返すと、電話を切り、エレベーターの方へ歩いていった。

自分の家の下にあるその建物に着くと、ドアをノックしようとした瞬間、ドアが自然と開いた。

鍵がかかっていなかったのだ。

劉名揚は中を覗き込んだが、すぐに顔を横に逸らした。

張薔薇が小さな念揚に授乳しているところを見てしまったからだ。

本来なら何の変哲もないことだが、張薔薇の場合は、もはや普通のことではなくなっていた。

彼女は上着をあまりにも高く捲り上げていたのだ。

どんな母親も子供に授乳するときにこんな風にはしないものだ。

劉名揚が顔を横に向けるのを見て、張薔薇の目に一瞬鋭い光が宿ったが、すぐに隠された。

「お兄さん、見て...