章 1610

劉名揚は言いながら、銀行カードを取り出し、老根のポケットに押し込んだ。

老根はそのカードに手を触れ、歯を食いしばった。「殺人罪に関わらなければ、単なる狼の子を捕まえるだけだろう?行くよ」

劉名揚は頷いた。「よし、今すぐ警察署へ行って通報し、凌青雲と対質しよう。警察が六指を捕まえられれば、お前への危険もなくなる。そうすれば、あの夜何が起きたのかも分かるはずだ」

老根は頷き、劉名揚について山を下り、車で警察署へ向かった。

三十分後。

清水市警察署。

劉名揚は担当の警察官を見つめながら言った。「王警官、事情はこういうことです。つまり、姉の事件は凌青雲と肖純、それに六指という男が仕組んだ罠だっ...