章 1232

この世界で、妹以外に自分にとって大切な人がいるとしたら、それは劉名楊だろう。

劉名楊は義理堅く、情熱的な男だ。彼は確かに自分を利用しているが、彭暁樹には分かっていた。劉名楊は良い人間だということが。彼が自分を利用するのも、あくまであの悪魔たちに対抗するためで、毎回彭暁樹に何かをさせる時には、必ず事情の経緯を説明してくれた。彭暁樹も義憤に駆られて自ら快く引き受けたのだ。

だから、自分のことのために劉名楊を害するなんて、できるはずがない。

そんなことをしたら、自分は人間以下だ。

そう思い至り、彭暁樹は顔を上げ、断固とした口調でこう言った。「何を言っているのか分かりません。私は劉名楊とただ仲が良いだ...