章 1097

二人は急いで森を出た。

狼は獰猛な動物だ。もし突然、劉名楊と劉大偉に興味を持ったら、二人の身に何が起こるかわからない。

森を出た二人だが、何も得られなかった。劉名楊は心の中で納得がいかなかった。

眉をひそめて考えていると、突然思いついた。あの誘拐犯がここで会おうと提案したのは、決して無意味なことではないはずだ。

少なくともこの辺りの地形や状況をよく知っているに違いない。そうでなければ、なぜ他の場所を選ばなかったのだろう。

劉名楊は辺りを見回すと、遠くない所に土壁の家があり、その入り口に老人が座ってタバコを吸っているのが見えた。

劉名楊は直接その老人に近づき、芙蓉王というタバコを一箱取り出し...