第134話全部君と一緒にいたい

エリー

「何してるの?」彼がようやくホテルの入口の外、石壁と階段の間の暗がりに私を下ろしたとき、私は囁いた。

返事もなく、彼は私の前に跪いた。その意図に気づき、パニックがこみ上げてきた。うそ……。

「正気? 誰かに見られちゃうかもしれないのよ」私は囁きながら、誰か近くにいないかあたりを見回した。

「だったら、静かにしていることだな」彼は囁き返し、指が私のドレスの下に滑り込み、脚を撫で上げ、私を震わせた。

「ここではダメよ」私は彼の手を押し返そうとしたが、うまくいかなかった。アドレナリンが血管を駆け巡り、心臓が激しく高鳴るのを感じた。

ホテルの正面の中庭では、客やスタッフが庭を行...